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1)藤(ふじ)・・・表・薄色 裏・萌黄)紫に咲き匂う藤の花をあらわした色目。
藤の花の色は奈良時代には「なつかしき色」とみなされ、
平安時代にはその色が、高貴な紫であることや、
藤が藤原氏の象徴であることなどから色の中の色と尊重された。
藤は漢名の藤紫からとった名で、
和名のフジは「吹き散る」ことの意味とされています。
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2)白藤(しらふじ)・・・表・淡紫 裏・濃紫藤の種類の中で、シロバナフジをあらわしたもの。
しかし表の色は白ではなく、「藤」と同系統の淡紫となっている。
「白藤」の衣は平安時代には見当たらないので、後世の色目と思われます。
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3)菫(すみれ)・・・表・紫 裏・淡紫春、紫色に愛らしく咲きでた菫の花色をあらわしている。
スミレの名はスミイレの略で、花の形が大工の用いる墨壺ににていることから、
つけられたものといわれる。
表・紫 裏・薄色 との別説がある。
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4)壺菫(つぼすみれ)・・・表・紫 裏・淡青春の野に咲き誇る壺菫の花をあらわした色目。
壺菫の花は春から夏まで咲き続け、
その花形は菫に比べて小さい。
もとは庭に生えるスミレの総称をさしていたともいわれる。 |
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5)牡丹(ぼたん)・・・表・薄蘇芳 裏・白
晩春から初夏にかけて、妖艶な大輪の花を開く牡丹の花の色目をあらわしたもの。
牡丹の花は、中国では古来、花の王、あたは富貴花と呼ばれ、賞賛されていた。
わが国にはもともと薬用として伝えられたが、
やがて花が観賞用とされるようになった。
牡丹の色目は他に六つの説がある。 |
裏・白 |
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6)桃(もも)・・・表・淡紅 裏・萌黄萌黄色の新芽を配しながら、咲き匂う桃の花をあらわした色目。
桃は中国から伝わり、花は観賞用として、実は食用として栽培した。
桃花は梅花や桜花に劣ると見られていたらしく、品位が劣り、
また実に毛のあるものを「毛桃」といい、いやしい表現が残っている。
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